人事評価に「納得できない」社員が3人に1人。中小企業の評価が揉める3つの原因と、月次データで解決する方法

2026.09.16 10:46 ブログ Coobase活用 AI DX

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秋は半期の評価面談が集中する季節です。評価シートを前に「この点数、どう説明しよう」と頭を抱えるマネージャーの方も多いのではないでしょうか。

人事評価は、社員のモチベーションと定着に最も直接的に影響する仕組みでありながら、中小企業では「そもそも制度がない」「制度はあるが社長の印象で決まっている」「評価者によって甘辛が違う」といった状態が珍しくありません。そして評価への不満は、静かに離職へとつながっていきます。

本記事では、国内の調査データから「なぜ評価は納得されないのか」を3つの原因に整理し、日々の業務データを月次評価に自動で積み上げるCooBaseの評価シート機能が、それぞれの原因にどう対応するのかを解説します。

調査データで見る「評価の納得感」の実態

納得していない社員は33.7%、納得していない人の半数が転職を検討

カオナビHRテクノロジー総研が2025年3月に、評価される立場にある有業者575名を対象に行った調査では、自社の人事評価に「納得感がある」と答えた人は56.0%、「納得感がない」は33.7%でした。およそ3人に1人が、自分の評価に納得していないことになります。

この納得感の差は、そのまま離職リスクの差になります。同調査によると、転職を検討している割合は納得感あり群で29.5%、納得感なし群では47.9%。評価に納得していない社員は、ほぼ2人に1人が転職を考えているという結果です。

さらに注目すべきは企業規模別の数字です。納得感あり群の割合は、従業員1,000人以上の企業で65.6%、100〜999人で52.8%、99人以下では44.8%と、規模が小さいほど低くなっています。中小企業ほど、評価の納得感づくりが難しいという現実がデータに表れています。

上司の76.1%は「部下は納得している」と思っている

同じくカオナビHRテクノロジー総研が発表した上司・部下の認識差に関する分析では、上司側の76.1%が「部下は評価結果に納得している」と認識していた一方、部下側で実際に納得感があると答えたのは56.0%。約20ポイントの開きがありました。項目別に見ると、業務支援では21.1ポイント、報酬への連動感では23.4ポイントの認識差が生じています。

つまり、多くの評価者は「自分はきちんと評価し、支援もしている」と感じているのに、その意図が部下には届いていない。評価の問題は、評価者の熱意や誠実さの問題ではなく、「伝わる形になっているか」の問題だということです。

中小企業の約6割には人事評価制度がない

中小企業庁の「2025年版中小企業白書」によると、人事評価制度を「設けている」中小事業者は全体の約4割にとどまり、従業員30名を超える事業者でようやく過半数に達します。制度を設けていない理由として最も多いのは「経営者が全従業員の状況を把握している」というものでした。

一方で同白書は、人事評価制度を設けている事業者ほど従業員の定着率が「7割以上」である割合が高く、「3割未満」の割合が低いことも示しています。「社長が全員を見ているから制度はいらない」という考え方は、社員が10人を超えたあたりから機能しなくなり、定着率の差として跳ね返ってくるのです。

評価が納得されない3つの原因

これらの調査結果を踏まえると、中小企業で評価が揉める原因は、大きく3つに整理できます。

原因1:評価の根拠が「記憶と印象」になっている

半年に一度の評価面談で、評価者が思い出せるのはせいぜい直近1〜2か月の出来事です。4月の大きな貢献は9月には薄れ、先週のミスは鮮明に残っている。いわゆる「近接誤差」です。評価される側もそれを知っているからこそ、パーソルキャリアのJob総研が2025年9月に行った「2025年 人事評価の実態調査」(391名)では、58.6%が「評価のためにアピールをする」と回答し、アピールをしている人のうち32.3%が「アピール疲れを感じる」、27.1%が「無駄な仕事が増える」と答えています。

根拠が記憶と印象である限り、評価は「声の大きい人が得をする」構造から抜け出せません。そしてその構造は、真面目に仕事をしている人ほど不公平に感じます。

原因2:評価者ごとに基準がバラバラで、説明できない

「A課長は厳しく、B課長は甘い」という評価者間のばらつきは、どの会社にもあります。パーソル総合研究所の「人事評価制度と目標管理の実態調査」(2021年)では、評価者研修を一度も受けたことがない上司が37.4%、制度どおりに評価プロセスを実施できている上司は3割前後にとどまるという結果が出ています。

中小企業では評価者研修に時間もコストも割けないのが実情です。しかし基準が揃っていなければ、社員から「なぜ私がBで、隣の部署のあの人がAなのか」と問われたときに答えられません。説明できない評価は、どれだけ正しくても納得されないのです。

原因3:評価が「年に1〜2回のイベント」で、日常と切り離されている

評価面談が半年に一度のイベントになっていると、社員にとって評価は「突然言い渡される判決」になります。期の途中で自分がどう見られているかがわからないため、改善のしようがなく、結果だけを受け取ることになる。カオナビの調査で、丁寧なフィードバックを受けた人とそうでない人の間に納得感で63.4ポイントもの差がついているのは、評価そのものよりも「評価に至るまでの対話」が納得感を左右していることを示しています。

「説明できる評価」に変えるCooBaseの評価シート機能

CooBaseは、日報・タスク・目標・称賛(Kudos)・勤怠といった日々の業務データをひとつの基盤に集約し、それを毎月の評価に自動で積み上げるAI組織マネジメントツールです。上記3つの原因に、それぞれ次のように対応します。

原因1への対応:日常の業務データを毎月1日に自動集計する

CooBaseの評価シート機能は、日報の提出率、タスクの完了数や期限内完了率、目標の達成数、受け取った称賛の数、勤怠の安定度など、25種類の指標を月次で自動集計し、毎月1日に前月分の評価結果を自動生成します。

評価者が半年分の記憶をたどる必要はありません。「4月に大型案件を3つ完了し、日報提出率は98%、同僚からの称賛を12件受けた」という事実が、月ごとに記録として残ります。評価の根拠が「印象」から「積み上がった実績」に変わるため、アピールの上手さではなく、実際の仕事ぶりが評価に反映されます。

自動集計だけでは拾えない要素は、評価者が手入力で補います。協調性のような定性項目の5段階評価に加えて、売上達成率や契約件数、リピート率、歩留まりといった会社独自のKPIを「外部KPI項目」として評価シートに組み込み、目標値に対する達成度を自動でスコアに換算することもできます。

原因2への対応:全社共通の評価軸を、経営者自身が設計する

評価者ごとのばらつきをなくすには、評価軸そのものを揃える必要があります。CooBaseでは、経営者や人事担当者がフォームビルダー画面で評価の次元・項目・配点・グレードの閾値を自分たちで設計し、全社・部署・職種・個人の単位で適用範囲を決めることができます。

「うちには評価制度がない」という会社のために、「かんたん3項目テンプレート」も用意されています。成果(完了タスク数)、貢献(受け取った称賛数)、姿勢(日報提出率)の3つの軸だけで構成された最小構成のシートで、テンプレートを選ぶだけで評価の土台ができあがります。製造業向けの安全意識・5S活動、医療介護向けの多職種連携、小売向けの顧客満足度など、業種別テンプレートも6種類あり、そこから自社に合わせて自由に編集できます。

評価軸が全社で統一されていれば、「なぜこの点数なのか」を評価者が自分の言葉で説明できます。「今期の姿勢スコアが下がったのは、日報提出率が82%だったから」という具体的な会話が成り立つのです。

原因3への対応:月次スコアと自己評価で、評価を日常の対話に組み込む

CooBaseでは評価結果が毎月生成されるため、社員は自分の評価履歴を月ごとに確認できます。半年後の面談で初めて結果を知るのではなく、毎月の推移を見ながら「今月は目標達成数が落ちたから、来月はここを立て直そう」と自分で調整できます。

スタッフ側には自己評価フォームがあり、AIによる自動集計・自己評価・マネージャー評価の3つを、会社が決めた比率で合算する多面評価にも対応しています。本人の認識と上司の認識のズレが数字として見えるため、面談は「点数の言い渡し」ではなく「ズレをすり合わせる対話」になります。

さらに、2か月連続で低評価が続いた社員や、前月から大きくスコアが下がった社員は「要フォロー」として、逆に3か月連続で高評価の社員は「表彰候補」としてマネージャーに通知されます。評価データが、面談の日を待たずに日常のマネジメントを動かすきっかけになります。

評価者の負担を増やさない設計

「毎月評価するなんて、マネージャーの負担が増えるだけでは」と思われるかもしれません。CooBaseの評価機能は、マネージャーの月次作業が1人あたり15分以内で完結するよう設計されています。自動集計された結果を確認し、必要なら各カテゴリのスコアを±20点の範囲で調整し(±10点以上の調整には理由の記入が必須)、コメントを添えて承認する。この流れだけです。

承認は「下書き→レビュー済み→確定」の3段階で管理され、レビュー時には「業務量が適切に反映されているか」「自動グレードに異論がないか」「面談を実施したか」のチェックリストを通ります。調整の理由は記録として残るため、後から「なぜこの点数になったのか」を誰でも追跡できます。

AIが評価するのではなく、AIが「評価の材料」を揃える

ここで一つ、正直に触れておきたいデータがあります。前述のJob総研の調査では、AIによる人事評価に「不安がある」と答えた人が51.2%、評価者としては「AI」より「上司」を希望する人が68.7%にのぼりました。「AIに評価される」ことへの抵抗感は、まだ根強くあります。

CooBaseの評価機能は、AIが社員に点数をつけて終わりにする仕組みではありません。AIと自動集計が担うのは、散らばった業務データを集めて「評価の材料」を揃えるところまで。最終的な評価の判断、スコアの調整、コメント、承認はすべて人間のマネージャーが行い、その記録が残ります。

社員が求めているのは「AIか上司か」ではなく、「根拠のある評価を、自分をよく知る上司から、きちんと説明してもらうこと」です。CooBaseは、その説明を可能にする材料を、マネージャーの手元に毎月届ける道具だとお考えください。

導入から運用までの進め方

最後に、実際に運用を始める際のステップをまとめます。

まず、いきなり完璧な評価制度を作ろうとしないことです。「かんたん3項目テンプレート」で成果・貢献・姿勢の3軸から始め、2〜3か月運用してから、自社のKPIや業種特有の項目を追加していく方が定着します。評価シートの変更は翌月以降の評価から反映され、過去の評価結果はその時点のシート定義で凍結されるため、途中で軸を見直しても過去との整合性が崩れることはありません。

次に、評価の元になる日報とタスクを日常的に使う状態を先につくることです。評価シートが集計するのは、あくまで日々入力されたデータです。日報の提出率やタスクの完了率が評価に反映されると社員に伝えることで、日報を「書かされるもの」から「自分の実績を残すもの」へと意味づけを変えられます。

そして、月次の評価結果を面談の材料として必ず使うことです。毎月生成されるスコアを、月1回の1on1や朝礼後の5分間で本人と一緒に眺める習慣ができれば、半期の評価面談は「すでに毎月話してきたことの総括」になり、「突然の判決」ではなくなります。

まとめ

人事評価に納得していない社員は3人に1人、そのうち約半数が転職を検討している。一方で上司の4人に3人は「部下は納得している」と思っている。この認識のズレを埋める鍵は、評価者の誠実さではなく、評価の根拠を「記憶と印象」から「記録された事実」に変えることにあります。

CooBaseの評価シート機能は、日報・タスク・称賛・勤怠といった日常のデータを毎月自動で評価に積み上げ、経営者が設計した全社共通の評価軸で、マネージャーが説明できる評価をつくります。評価制度がまだない会社でも、3項目のテンプレートから今月始められます。

下期の評価面談を「揉める場」から「納得の場」に変えたい方は、ぜひ一度CooBaseの評価シート機能をご覧ください。

よくある質問

中小企業に人事評価制度は本当に必要ですか?

中小企業庁の2025年版中小企業白書では、人事評価制度を設けている事業者の方が従業員の定着率が高い傾向が示されています。社員が10人を超えると経営者一人で全員の仕事ぶりを正確に把握することは難しくなり、「社長の印象」による評価は不公平感を生みやすくなります。最小限の3項目からでも、共通の評価軸を持つことをおすすめします。

評価のためのデータ入力が社員の負担になりませんか?

CooBaseの評価は、日報やタスク管理など、業務で日常的に使う機能に入力されたデータを自動集計します。評価のために別途入力する項目は、マネージャーが補う手入力項目と本人の自己評価のみで、評価専用の作業を新たに増やす設計にはなっていません。

AIが自動でつけた評価をそのまま社員に伝えるのですか?

いいえ。自動集計されたスコアは「下書き」として生成され、マネージャーがカテゴリごとの調整とコメントを加えて承認するまで、スタッフ本人には公開されません。最終的な評価判断は必ず人間のマネージャーが行います。

自社独自の評価項目(売上目標など)は組み込めますか?

組み込めます。売上達成率や契約件数、粗利率などの会社独自KPIを「外部KPI項目」として評価シートに追加し、目標値に対する達成度を自動でスコアに換算できます。換算の方式も、達成率に比例させる方式や、達成率の段階ごとに配点を変える方式などから選べます。

参考文献