中小企業の離職率はどれくらい?大企業との差と、辞める兆候に気づく方法

2026.04.22 18:18 Coobase活用 ブログ

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規模の小さい事業所ほど、新卒で就職した人の3年以内の離職率は高い傾向があります。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」によると、大学を卒業して就職した人が3年以内に辞めた割合は、従業員5〜29人の事業所で52.0%、1,000人以上の事業所で27.0%でした。

「なぜ若手が辞めていくのか、原因がわからない」——多くの中小企業の経営者が抱える悩みです。本記事では、中小企業離職率の数字の見方と若手が辞める主な理由、そして日報の記録から「辞める兆候」に早めに気づくための仕組みを紹介します。

この記事は、日報アプリ「Coobase」を開発・提供している株式会社Omit が書いています。1〜3章は公的データと一般的な傾向の解説、4章からは当社の製品 Coobase の紹介です。

1. 中小企業の離職率はどれくらいか——厚生労働省の事業所規模別データ

中小企業の離職率を確かめるときによく使われる公的データは、厚生労働省の2つの調査です。

1つ目は「新規学卒就職者の離職状況」です。就職してから3年以内に辞めた人の割合を、事業所の規模別に公表しています。令和4年3月に大学を卒業して就職した人の数字は次のとおりです。

事業所の規模 大学卒・就職後3年以内の離職率
5人未満 57.5%
5〜29人 52.0%
30〜99人 41.9%
100〜499人 33.9%
500〜999人 31.5%
1,000人以上 27.0%
大学卒の全体 33.8%

従業員5〜29人の事業所では、1,000人以上の事業所のおよそ2倍の割合で、新卒の社員が3年以内に辞めています。

2つ目は「雇用動向調査」です。新卒に限らず、常用労働者(5人以上を雇う事業所で働く人)の1年間の離職率を出しています。令和7(2025)年は13.7%でした(出典: 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」(2026年8月31日公表)を基に作成)。

どちらも「事業所」(会社の中の一つひとつの職場)の単位で集計しているため、会社全体の従業員数での区分とは一致しないことがあります。自社と比べるときは、雇用動向調査と同じく「1年間に辞めた人数 ÷ 1月1日時点の在籍人数 × 100」で計算し、13.7%と比べると比べやすくなります(新卒3年以内の離職率とは計算のしかたが違うため、上の表とはそのまま比べられません)。

しかし、多くの中小企業では離職による損失を正確に把握できていません。「また辞めたか」で片付けられ、根本的な対策が打たれないまま、同じサイクルが繰り返されています。

2. 「給与が低いから辞める」は本当か?——離職の本当の原因

「中小企業は給与で大企業に勝てないから離職率が高い」——これは半分正解で、半分は間違いです。

若手社員が辞める理由として、給与だけでなく「成長している実感がない」「職場の人間関係がつらい」といったことがよく挙げられます。

若手社員が離職を考えるきっかけとしてよく挙がるもの

  • 成長実感がない・スキルが身につかない
  • 上司・同僚との人間関係
  • 評価・待遇への不満
  • 業務量の多さ・長時間労働

つまり、中小企業が離職を防ぐためにまず取り組むべきは「成長を実感できる仕組みづくり」と「人間関係の問題の早期発見」です。しかし、ここに大きな壁があります。

3. なぜ「辞める兆候」に気づけないのか

多くの経営者やマネージャーが「突然辞められた」と感じています。しかし実際には、辞める社員は数週間〜数ヶ月前から小さなサインを出しているのです。

見逃されるサインの例

  • 日報の文章量が徐々に減っている
  • 「特になし」「通常通り」が増えた
  • 感情表現がなくなり、事務的になった
  • 会議での発言が明らかに減った

気づけない構造的な理由

  • 日報を「読む」だけで精一杯
  • 感情の変化を数値化できていない
  • 過去との比較データがない
  • 本音を言える場がない

マネージャーは日々の業務に追われ、10人分の日報を「変化を追いながら読む」余裕はありません。人間の記憶と感覚に頼った管理では、微細な変化を捉えることは不可能なのです。

ポイント: 離職の問題は「兆候がなかった」のではなく、「兆候を検知する仕組みがなかった」のです。ここにAIを活用する余地があります。

4. AIが日報から読み取る「辞めたいサイン」

CooBaseでは、毎日の日報データをAI(Gemini API)がリアルタイムで分析し、人間では気づきにくい「離職の兆候」を自動的に検知します。

感情スコアの自動記録

日報提出時に、スタッフは今日の気分を絵文字5段階で選択します。たった1タップの操作ですが、このデータが蓄積されると強力な「組織の温度計」になります。

AIによるネガティブトレンド判定

レベル 条件 対応
危険 3日連続でスコア2以下 即座にマネージャーにアラート通知。1on1面談を推奨。
注意 3日間でスコアが2ポイント以上低下 経過観察対象としてダッシュボードに表示。
監視 単発でスコア2以下 モニタリング対象として記録。翌日以降のスコアと合わせて判断。

AI原因分析——「なぜ不調なのか」まで特定

CooBaseのAIは、単にスコアが低いことを検知するだけではありません。日報の文章内容をGemini APIが分析し、不調の原因を7つのカテゴリに自動分類します。

カテゴリ 内容
業務負荷 仕事量やタスクの過多
人間関係 上司・同僚との関係性
キャリア不安 成長実感やキャリアパスの不明確さ
プライベート 家庭や個人的な事情
健康問題 体調不良やメンタルヘルス
職場環境 オフィス環境や制度への不満
その他 上記に分類できないもの

原因がわかれば、対策が打てます。「業務負荷」が原因なら業務の再分配、「人間関係」なら配置の見直し、「キャリア不安」なら成長プランの提示——AIが原因を特定してくれることで、マネージャーは的確なアクションを取れるようになります。

5. CooBaseの6層離職防止メカニズム

CooBaseでは、離職リスクを単一の機能ではなく、6つの層で多角的に捉えます。スタッフは「日報を書くだけ」で、この6層すべてが自動的に動作します。

第1層:感情スコア記録(毎日)

日報提出時に5段階の感情を記録。個人・チーム・組織単位で推移を可視化。

第2層:ネガティブトレンド自動検知(3日連続でアラート)

AIがスコアの推移パターンを分析。急激な低下や継続的な不調を自動検知し、マネージャーに即時通知。

第3層:AI原因分析(7カテゴリ自動分類)

日報の文章をAIが分析し、不調の原因を特定。具体的なアクション提案まで自動生成。

第4層:組織健康診断(日次バッチで異常検知)

4軸レーダー(感情・離職リスク・エンゲージメント・スキル成長)で組織全体の健康状態を数値化。3週連続低下で経営層にアラート。

第5層:1on1・フォローアップの効果測定(14日後に自動比較)

面談や業務調整などの対応後、14日後に感情スコアのbefore/afterを自動測定。「やりっぱなし」を防止。

第6層:過負荷検知(タイムカード連動)

月間残業45時間超で即アラート。22時以降の日報提出率(深夜作業率)も自動監視。

なぜ「6層」なのか?

離職の原因は1つではありません。業務負荷×人間関係×キャリア不安——複数の要因が重なって限界を超えた時に、人は辞めることを決意します。だからこそ、CooBaseは単一のスコアではなく、多層的な検知で「複合的なリスク」を捉えます。

6. 導入後に変わること——具体的なシナリオ

CooBase導入前

曜日 出来事
月曜 Aさんの日報が「特になし」。気にはなるが忙しくてスルー。
水曜 Aさんがまた短い日報。「最近元気ないな」と思うが確信がない。
翌月 Aさんから退職届。「もっと早く声をかけていれば…」

CooBase導入後

曜日 出来事
月曜 Aさんの感情スコアが(2)。AIが「監視」判定。
水曜 AIが「3日連続低スコア」を検知。マネージャーに即時アラート。原因は「業務負荷」と分析。
木曜 マネージャーが1on1を実施。業務を一部再分配。14日後に効果測定が自動実行。

このシナリオで重要なのは、マネージャーが「何か特別なことをする必要がない」という点です。日報を提出してもらうだけで、AIが異変を検知し、アラートを出し、原因まで特定してくれます。マネージャーは「対話」という本来最も大切な仕事に集中できるのです。

7. まとめ:「気づいたときには遅い」をなくすために

この記事のポイント

  • 中小企業の離職率は、事業所の規模が小さいほど高い傾向がある(大学卒・就職後3年以内で 5〜29人 52.0%、1,000人以上 27.0%。厚生労働省)
  • 離職の理由は給与だけではなく、「成長実感」や「人間関係」がよく挙げられる
  • 辞める社員は数週間前からサインを出しているが、人間の感覚だけでは検知できない
  • CooBaseは日報の感情データをAIがリアルタイム分析し、6層構造で離職リスクを自動検知
  • スタッフは「日報を書くだけ」。マネージャーは「対話」に集中できる

「なぜ辞めたのかわからない」——この言葉が出る時点で、組織には「見える化」の仕組みが足りていません。

CooBaseは、日報という日常のルーチンの中に離職防止の仕組みを自然に組み込みます。特別な研修やアンケートを追加するのではなく、今ある業務フローの中で、AIが見守り続ける。それが、CooBaseが提案する「持続可能な離職対策」です。

日報から兆候を確かめられる Coobase を見てみませんか?

Coobase は、日報で記録した気分の推移と日報の文章を AI が読み取り、落ち込みが続いているメンバーをマネージャーに知らせます。実際の画面は無料デモでご覧いただけます。

対応するCooBase機能: 組織健康診断 / ネガティブフラグ検知 / 経営ダッシュボード / AI感情分析 / 1on1効果測定

著者

末吉孝臣

2000年 WEB開発を開始。エンジニア、WEBデザイナー、DTPデザイナーとして多様なプロジェクトに携わる。
2005年 おもしろカンパニーを設立し、双方向ライブ配信サービスを開始。
2010年 ヒラメキカンパニーを取締役として設立し、地域情報の発信事業を展開。
2015年 株式会社Omitを設立。「企業に寄り添ったWEB」をテーマに各種サービスを提供開始。